瑛梨奈は泣きながら笑っていた。



完全に狂っている。



そんな瞳だった。



「えりはね……?今、何だって出来る……澪を傷つける事だって」



そう言って、瑛梨奈は澪に刃を向けた。



澪の背中に、ゾクリと言いようのない恐怖が襲った。




「ねぇ稚尋……どうして、えりを一番に思ってくれなかったの?」



ポタッポタッと、瑛梨奈の瞳からは、とめどなく涙が流れた。



「……………」


「……もう、いい。」



そう言うと、瑛梨奈はカッターを振り上げた。




「……っ!」




澪は、瞳を閉じた。