一瞬、時が止まった。




「………………?」



澪は感じた違和感に首を傾げた。



頬に痛みがない。



私、今叩かれたよね?




澪は目を閉じながら考えた。


そして、ゆっくりと目を開けた。


そこにある光景を見るために。



「…………なっ!」



その光景は、目を疑ってしまうようなものだった。




「えり……何やってるんだよ」



「あ……ちっ、稚尋!?なんで……!」






「痛てぇんだよ……えり」



澪の代わりに稚尋が瑛梨奈の平手打ちを受けていた。


瑛梨奈も驚いているようだった。