「泣いた?澪は泣けばいいと思ってる!……稚尋も、同情したんじゃない?」



「……違っ……!!」



「何も違くなんかないでしょう?澪は、稚尋に気に入られてる……でも、そのうち捨てられるけどね」



瑛梨奈が座り込む澪を見て、同じように座り込んだ。


そして、笑った。



「えりが……壊してあげる……」




スッと、瑛梨奈の手がのびてくる。




ここは中庭と言っても、普段は人が立ち入らない場所。



誰も助けてはくれない。



もう……だめだ。


澪の頬に、鈍い痛みが走った。