ちゃんと否定してよ。



稚尋は一変、笑顔で言った。


『彼女はえりだけだよ』



『じゃあ……その子は誰?』




瑛梨奈は流れる涙を堪えることは出来なかった。



『……ただ、遊んでただけ』



は……?



何、ソレ。



『意味わかんない……』



『だってお前、まだ中一じゃん』



えりがガキだって言いたいの?



自分だって同じじゃない。


上級生の方がいいのなら、なんでえりなんかに声をかけたのよ…………?



えりは稚尋が……好きだったんだよ?


だけどもう、元の関係には、戻れない。






『も……別れる!』



『いいよ?別れようか』



稚尋は平然と言った。



どうしてそんなに簡単に人を傷つけられるの?


初恋がこんな恋愛なんて、ひど過ぎない?



あんまりだよ……。



『……後悔させてあげる』

復讐してやる。


それが瑛梨奈から稚尋に対する感謝の気持ち。



本当に大好きだったから。


“瑛梨奈”を一生忘れて欲しくないから。



稚尋に深い深い傷をつけてあげる。