「…………!」



澪の言葉に、稚尋は一瞬目を見開いて驚き、澪の瞳を見つめた。



しかし、またゆっくりと澪から視線を外してしまった。




「…………稚尋?」



「………………ごめん」




稚尋は澪と目を合わせようとしない。



明らかに動揺していた。


それは、二人の間に何かがあった証拠。



澪はただ、謝る稚尋が不思議でならなかった。




「言ってくれる………?」




「ごめん……それは……」



稚尋の口から発せられた言葉は。




“それは……言えない”



ただ、それだけだった。