「わたしが、悪いんだ。詳しくは……ちょっと、言えないんだけど」
「別にいらねーよ。んなもん」
「そうね」
「大輔。……百瀬は、大丈夫だった?」
「ああ。少なくとも身体はな」
あとはしきりにダークサイドだったとい大輔は連呼する。
「背中に黒い翼が見えた気がする」
「ダークサイドに翼は生えないのよ?」
「そーだっけ?」
「……大輔。百瀬は、本当にわたしのこと……」
「それ疑ったら絶交だ」
「っ、はい」
「私も信じてるわ」
「小夜~……」
「はーい」
そんなふうな二人を前にしてまたより強く感じた。
――ああ。本当に幸せ者だ。