ガラガラとスーツケースを引きながら向かうのは、最寄り駅。
今日から入寮する星並(ほしなみ)学園は、ここから電車を乗り継いで1時間のところにある。

都心でありながら自然の溢れる場所にあるのも学園の魅力の1つらしい。
けれど、本当の人気の理由は、別にある。

『星並学園ってどんな学校?』と街中の人に尋ねたら、おそらくみんな口をそろえて言うことだろう。


――『財力・学力・家柄の星並学園』


その3つが揃わないと入学できないと言われている由緒正しき学園。
学力は努力でなんとかできたとしても、私には財力も家柄もない。

そんな私が、なぜ星並学園に入学できたか。
それは一通の案内書が始まりだった。

突然届いたエンジ色の高級感のある封筒の中には、特定の条件をクリアすれば私を特待生枠として入学金/授業料免除で入学させる旨が書かれていた。

その条件はたった2つ。

――『一定以上の学力をキープすること』
――『星並学園寮に入寮すること』

最初は何かの詐欺を疑ってお母さんとともに星並学園に問い合わせてみたけれど、それは正真正銘の本物らしく。
めでたく入学試験をクリアした私は、星並学園への切符を手にした。