”名前なんて、呼びたくなかった。
 特にお前の名前は、絶対に。”


そう言って、『その人』は悲しそうに笑った。
今にも泣き出しそうな、眉尻を下げて微笑む姿に、
なぜだか私まで泣きたくなった。


彼が名前を呼ばない理由。


それはとっても切なくて愛しい理由だった。