1人かけのソファに身をしずめ、どこかうつろな目をしている女の前で、アリムの足が止まった。


「あんた……」


そうだ、この人だ。


水晶で見たローズの母親。


女はちらりとアリムを見て、そして無言で立ち上がった。


アリムを誘導するように、店の奥へと歩いていく。


それについていった先にはカーテンが一枚引かれていて、開くと大きめのベッドが用意されていた。


女はアリムに《入って》と、顎で合図する。


一瞬躊躇したアリムだが、ここは仕方がない。


人目がないほうが会話もしやすいので、黙ってベッドの上へとあがった。


すると、すぐにカーテンを閉めてベッドの上で服を脱ぎ始める女。


「ちょ、ちょっと待て!」


慌ててそれをとめるアリム。


まさか、大好きな人の母親とそんなことするワケがない。