少年は竜を使って、設定無視でここまで辿りついただけだった。


それは助けにきたとは言えない。


ローズの考えはそうだった。


しかし……。


青年に背を向けた瞬間、派手にガラスが割れる音が部屋中に響いた。


驚き、身を縮めるローズ。


そっと振り返るとさっきの窓ガラスが割られ、その向こうから青年がこちらを睨み付けていた。


「なんてことするの!?」


「うるせぇ! てめぇに聞き分けがねぇからだ!」