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家を出て、目指すはもちろん城にいるローズの元。
屋敷の人間に薬をやれと声を張ったが、それが届いているようには到底思えなかった。
きっと、やつらはローズに薬を飲ませてはいない。
感染病だとわかっているのだから隔離されている可能性だってある。
そう思いながらホワイトの背中に乗ったとき、見たことのない老婆が声をかけてきた。
「そこの、男。どこへ行く?」
しゃがれた声に、真っ黒なマント。
それに三角帽子をかぶっている。
「宮殿だよ」
アリムは老婆の容姿に顔をしかめつつ、答えた。
「宮殿へ行って、どうする」
「ローズに薬を飲ませる。病気なんだ」
「宮殿には兵士がおるぞ」
「わかってるよ、そんなもん」
「魔女の塔のように、簡単に侵入できる建物でもないぞ」
「わかってるって……って、なんでそんな事知ってんだよ」
家を出て、目指すはもちろん城にいるローズの元。
屋敷の人間に薬をやれと声を張ったが、それが届いているようには到底思えなかった。
きっと、やつらはローズに薬を飲ませてはいない。
感染病だとわかっているのだから隔離されている可能性だってある。
そう思いながらホワイトの背中に乗ったとき、見たことのない老婆が声をかけてきた。
「そこの、男。どこへ行く?」
しゃがれた声に、真っ黒なマント。
それに三角帽子をかぶっている。
「宮殿だよ」
アリムは老婆の容姿に顔をしかめつつ、答えた。
「宮殿へ行って、どうする」
「ローズに薬を飲ませる。病気なんだ」
「宮殿には兵士がおるぞ」
「わかってるよ、そんなもん」
「魔女の塔のように、簡単に侵入できる建物でもないぞ」
「わかってるって……って、なんでそんな事知ってんだよ」