夢見ていた王子様は、もっと綺麗な顔をして無精ひげなんかも生やしていない。


少年は、そこから大きくかけ離れていたから。


「あなた、兵士たちを倒したの?」


「いいや」


「竜の首にかかっている鍵は?」


「知らねーよ、そんなもん」


素っ気ない返事に、ローズは脱力する。


「それじゃダメよ。お話が違うから」


せっかく、ずっと待っていた王子様が来てくれたと思ったのに、期待は一瞬にしてしぼんでいく。