「褒美を渡したら、あっという間に宮殿から出て行った」


おかしそうに笑う国王の声が響く。


ローズは唇をかんで、また泣きそうになるのをなんとか耐えた。


「言っておくが、お前に飲ませる薬はないぞ」


「……わかっています……」


「そうか。物わかりのいい娘でよかったよ」


それだけ言うと、国王の足音は遠ざかって行った……。