再度怒鳴る青年に、ローズは心が震えた。


(あたしを……助けにきた?)


何年も何年も待ち続けてきた。


その日が、ついに訪れたのだ。


すぐに駆け寄って窓を開けたい衝動を抑え、ローズは再び窓に近づく。


「本当に、あたしを助けにきたの?」


「あぁ、そうだ」


(でも……彼の服、ボロボロだわ)


ローズは青年の貧相なその容姿が気がかりだった。