わかっていたことだけれど、ローズの胸は締め付けられた。
「おい、娘は風邪をひいてる。部屋へ連れていけ」
近くにいた兵士へそう声をかけると、重たい鎧をつけた兵士がローズへ歩み寄る。
「薬を出してやれ」
小声でそう言ったのはアリムだった。
兵士はそれに答えず、ヨタヨタと歩くローズを抱えて、部屋を出てしまった。
一抹の不安を感じながらそれを見送ると、国王はため息まじりに立ち上がり、アリムを一瞥した。
「娘を助けたお前に、褒美をやる」
「ありがとうございます」
待ち望んでいたものに、思わず目を輝かせるアリムに、「欲の腐った男が」と、国王が吐き捨てた。
今はなにを言われてもいい。
とにかく、もらった金で買えるだけの薬を買い、この街を救わなければならない。
「これが褒美だ。とっとと出ていけ」
白い袋をアリムへ投げてよこすと、国王は鋭い目でにらんだ。
アリㇺはその袋をキャッチして、すぐに中身を確認する。
そこには、目がくらむほどの金塊がパンパンに詰められていた。
これだけあれば十分だ。
妹のサリエも、街のみんなも、きっと助かるだろう。
「おい、娘は風邪をひいてる。部屋へ連れていけ」
近くにいた兵士へそう声をかけると、重たい鎧をつけた兵士がローズへ歩み寄る。
「薬を出してやれ」
小声でそう言ったのはアリムだった。
兵士はそれに答えず、ヨタヨタと歩くローズを抱えて、部屋を出てしまった。
一抹の不安を感じながらそれを見送ると、国王はため息まじりに立ち上がり、アリムを一瞥した。
「娘を助けたお前に、褒美をやる」
「ありがとうございます」
待ち望んでいたものに、思わず目を輝かせるアリムに、「欲の腐った男が」と、国王が吐き捨てた。
今はなにを言われてもいい。
とにかく、もらった金で買えるだけの薬を買い、この街を救わなければならない。
「これが褒美だ。とっとと出ていけ」
白い袋をアリムへ投げてよこすと、国王は鋭い目でにらんだ。
アリㇺはその袋をキャッチして、すぐに中身を確認する。
そこには、目がくらむほどの金塊がパンパンに詰められていた。
これだけあれば十分だ。
妹のサリエも、街のみんなも、きっと助かるだろう。