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数週間ぶりの国は閑散としていた。
感染病が拡大したためか、人々はほとんど家の中に閉じこもり、時折野良犬の鳴き声がするものの、それ以外の物音はしない。
赤レンガの家の窓はどれも閉じられ、店も『クローズ』の看板がかけられている。
「ひどい有様だな」
ホワイトの背中から降りて、アリムが呟く。
たった数週間で、ここまでになっているとは考えもしなかった。
早くしないと、この国までダメになってしまうかもしれない。
「行こう」
再びホワイトの背中にまたがり、宮殿を目指した。
それからほんの数分後。
ローズとアリムは国王の玉座の前まで通されていた。
金の女性像が両端に鎮座し、赤い椅子に座っている国王。
久しぶりに見る父親の姿にローズはとまどいの色を見せた。
白い髭に、細かく刻まれた顔のシワ。
ローズが幼いころに見ていた父親とは、かけ離れていたから。
「ローズ、久しぶりだな」
そういう国王の口調は淡々としていて、義務的だった。
まるで自分の娘だなんて思っていない。
数週間ぶりの国は閑散としていた。
感染病が拡大したためか、人々はほとんど家の中に閉じこもり、時折野良犬の鳴き声がするものの、それ以外の物音はしない。
赤レンガの家の窓はどれも閉じられ、店も『クローズ』の看板がかけられている。
「ひどい有様だな」
ホワイトの背中から降りて、アリムが呟く。
たった数週間で、ここまでになっているとは考えもしなかった。
早くしないと、この国までダメになってしまうかもしれない。
「行こう」
再びホワイトの背中にまたがり、宮殿を目指した。
それからほんの数分後。
ローズとアリムは国王の玉座の前まで通されていた。
金の女性像が両端に鎮座し、赤い椅子に座っている国王。
久しぶりに見る父親の姿にローズはとまどいの色を見せた。
白い髭に、細かく刻まれた顔のシワ。
ローズが幼いころに見ていた父親とは、かけ離れていたから。
「ローズ、久しぶりだな」
そういう国王の口調は淡々としていて、義務的だった。
まるで自分の娘だなんて思っていない。