その問いに、アリムはおかしそうに声を上げて笑った。


「親って……ホワイトの親は竜だぜ? 竜に『ごめんなさい、子供さんを帰します』なんて言っても通じないだろ」


そうかもしれないけど……でも……。


こうして人間と分かり合えているホワイトを見ていると、それもできるんじゃないかと思えてくる。


「それに」


アリムは、ホワイトのウロコをゆっくりとなでた。


「もう、俺達は大切なパートナーだ」


竜と人間との隔たりを超えた言葉に、ローズはドキッとする。


この人なら、本当に自分の生き方を変えてくれるかもしれない。


そんな期待が膨らんでいく。


同時に、自分と一緒に生きることでアリムの人生を狂わせるかもしれないという不安が、胸をよぎった。


自分たちは、生きてきた世界が違いすぎる。


アリムは国王から褒美を貰い、そして自由に生きていったほうが幸せかもしれない。


自分と一緒に、過ごすよりも、ずっと……。