そう、そこに現れたのは真っ黒なマントを着た白髪交じりの魔女。


ザイアンだったのだ。


ローズを長年塔へ閉じ込めていた本人が、そこにいた。


「おや……バレちまったかい」


ローズの悲鳴で目覚めたザイアンは、自分の魔法が解けていることに気づき、しゃがれた声で小さく呟いた。


「どういう事なの!?」


「ずっと……お前の行動を水晶で見ていた」


「ずっと!?」


「そう。あの窓が割られた時から」


そう言われ、ローズは初めてアリムと出会ったときのことを思い出していた。


常識外れて、強引な男。


自分にはもっとも縁のない人種だった。


それが、今では離れたくない一緒にいたいと思っている。


「あたしを連れ戻すつもりなら、どうしてもっと早く来なかったの……?」


「様子を見ていたんじゃよ。あの男が、どういう男か」


そこで言葉を区切り、ザイアンは眉間にシワを寄せた。


「その結果。やはりあの男はお前には似合わんと、結論がでた」