ローズは直感的にそう思った。


十何年も一緒にいて、窓を開けるなと言われたのは、これが初めてだったから。


とうとう魔女の実験が始まったのかもしれない。


そう思い、ぶるっと身震いした次の瞬間、突然窓の外に真っ白な竜の背に乗った、見知らぬ青年が姿をみせた。


驚きのあまり、悲鳴も忘れてその場から後ずさりするローズ。


「なに……?」


(一体どうなってるの?)