「なんだと?」


「きっと、君は金目当てで姫を連れ出したんだろう?わたくしは金には興味がない。興味があるのは――」


最後まで言わず、コホンッと咳払いをしてローズを見た。


その視線に、ローズは自然と後ずさりする。


「誰が金目当てだと?」


完全に図星だったが、アリムは怒りをあらわにして対峙した。


ここで引き下がってローズを手渡すなんて、そんなの男じゃない。


せめて、最後までやり遂げなければ『好き』という気持ちまで嘘になってしまいそうだった。


「男同士、素手で勝負と行きますか」


ザイアックはニヤリと笑い、腰の剣を抜いて投げ捨てた。