翌日、すっかり体調の戻ったローズはアリムと一緒にホワイトの背中に乗っていた。


今日は天気も晴れていて、この調子でいくと夜には国に帰ることができそうだった。


ローズの父で国の王、トクイアン王に会えるのも、もう少し。


「ねぇ……」


後ろにいるアリムへ声をかける。


「なんだよ」


「あたし、帰らなきゃダメ?」


その言葉に、アリムは「はぁ?」と、笑う。


「ここまで来て塔に戻る気か?」


「そうじゃないけど……」


言いながらも、浮かない顔のローズ。


「何か――」


『あるのか?』


と、聞こうとした瞬間、ホワイトが急に下降を始めた。


フワッと浮き上がる感覚に、ウロコを強く掴む。


「ホワイト、どうした!?」


声をかけても、返事がない。


「くそっ! ローズ、振り落とされるなよ!?」


「わかった!」