真っ黒なマントに身を包み、先端の尖った帽子を常にはずさない魔女の姿を。


そのしゃがれた声を。


帽子の大きなつばから見え隠れする、赤く光る目を。


思い出すだけでぞっとして、身を縮めた。


(魔女はどうしてあたしを選んだのかしら。


魔法の実験台なら、別に王の娘を選ばなくてもよかったのに)


魔女は1日3回ローズの食事を運んでくる。