(もう……だめ)


グッタリと湖の横に横たわって目を閉じたとき、ガサガサと木を揺らす音と、森から逃げていく鳥達の鳴き声が耳に入った。


うっすらと目をあけてそちらを見ると……白い龍が見えた。


その背から慌てて降りてくるアリムの姿も。


「お前、なに食った!?」


ローズの状態を見てすぐに察したのだろう、アリムは鬼の形相だ。


でも、ローズにはすでにその質問に返事をする元気も残っていなかった。


「口がきけないか? 唇も真っ青だ。お前赤い実を食べたな」


焦った中にも、呆れたニュアンスを持たせてアリムは言った。


そして、次の瞬間。


アリムはローズの体を横にし、その口に中指と人差し指を突っ込んだのだ。


ローズは苦しみに涙を浮かべて、その手から逃れようとする。


「吐け。まだ間に合う」


喉の奥のほうまでアリムの指が挿入されると、ローズはたまらず嘔吐した。


吐いたものは真っ赤で、所々果実の種が混ざっている。


「やっぱり、これか」