湖や河を見つけられれば、そこに魚くらいいるかもしれない。
そう思っていたのだけれど……。
空腹はすでに限界がきていたようで、ローズはその場にしゃがみ込んでしまった。
昨日走り回ったため、足には血もにじんでいる。
ぐぅぅーと、お腹が悲鳴を上げたとき、ローズの目に背の低い木になっている赤い実がうつった。
「木の実だわ!」
思わず喜び、自分と同じくらいの背のその木に飛びつく。
その木も、葉も、実も、見たことのないものだった。
だけどそれは、自分がずっと塔に閉じ込められていて外の情報を遮断されていたから。
「きっと、大丈夫よね」
不安がないといえば、うそになる。
でも、あの虹鳥を食べたり、空腹に耐え続けることを考えると、ローズの手は自然と赤い実を千切っていた。
ツルンと丸い果実を鼻に近づけると、甘い香りがした。
(これなら食べられそう)
そう思い、1口かじる。
甘い味が口いっぱいに広がり、噛むと小さな種がプチプチと音を立てた。
(おいしい!)
そう思っていたのだけれど……。
空腹はすでに限界がきていたようで、ローズはその場にしゃがみ込んでしまった。
昨日走り回ったため、足には血もにじんでいる。
ぐぅぅーと、お腹が悲鳴を上げたとき、ローズの目に背の低い木になっている赤い実がうつった。
「木の実だわ!」
思わず喜び、自分と同じくらいの背のその木に飛びつく。
その木も、葉も、実も、見たことのないものだった。
だけどそれは、自分がずっと塔に閉じ込められていて外の情報を遮断されていたから。
「きっと、大丈夫よね」
不安がないといえば、うそになる。
でも、あの虹鳥を食べたり、空腹に耐え続けることを考えると、ローズの手は自然と赤い実を千切っていた。
ツルンと丸い果実を鼻に近づけると、甘い香りがした。
(これなら食べられそう)
そう思い、1口かじる。
甘い味が口いっぱいに広がり、噛むと小さな種がプチプチと音を立てた。
(おいしい!)