洞窟を飛び出したローズは走って走って、走りつかれた頃に小さなオアシスを見つけて、その入り口に倒れこむようにして座り込み、そのまま眠りについた。
雨に濡れて下の草が冷たかったけれど、それさえ気にならないほどに疲れていて、目を閉じると同時に意識を手放した。
それから、数時間後。
鳥の鳴き声がしてローズは目をさました。
いつもと違う風景に一瞬戸惑い、それから「あぁ……」と、上半身を起こして記憶を呼び戻す。
(そうだわ、あたし。昨日アリムとかいう男に連れ出されて、それから……)
虹鳥の羽をもぐ姿を思い出し、一瞬にして眠気が吹き飛んだ。
「あんな野蛮なことするなんて、信じられないわ」
そう呟きつつ、オアシスの中を進む。
そこは岩砂漠の中にポツンと浮かぶ小さな森。
近くからは水音も聞こえてきて、ここら辺だけは色々な植物や動物が命を繋いでいられる場所になっているようだった。
ローズはとにかく水音の方へと歩きながら、お腹をおさえた。
起きた時から感じている、空腹感。
昨日、アリムと出会ってから何も口にしていないから、当然だ。
「お腹、減った……」
雨に濡れて下の草が冷たかったけれど、それさえ気にならないほどに疲れていて、目を閉じると同時に意識を手放した。
それから、数時間後。
鳥の鳴き声がしてローズは目をさました。
いつもと違う風景に一瞬戸惑い、それから「あぁ……」と、上半身を起こして記憶を呼び戻す。
(そうだわ、あたし。昨日アリムとかいう男に連れ出されて、それから……)
虹鳥の羽をもぐ姿を思い出し、一瞬にして眠気が吹き飛んだ。
「あんな野蛮なことするなんて、信じられないわ」
そう呟きつつ、オアシスの中を進む。
そこは岩砂漠の中にポツンと浮かぶ小さな森。
近くからは水音も聞こえてきて、ここら辺だけは色々な植物や動物が命を繋いでいられる場所になっているようだった。
ローズはとにかく水音の方へと歩きながら、お腹をおさえた。
起きた時から感じている、空腹感。
昨日、アリムと出会ってから何も口にしていないから、当然だ。
「お腹、減った……」