灰色の室内。


真っ白なベッドが窓辺にあるだけで、あとはなにもない部屋の中、姫、ローズはため息をこぼした。


窓から見える景色も、今日は天気が悪くて灰色がかっていた。


白く輝くドレスを身にまとったローズは窓辺に座って、代わり映えしない砂漠景色を見るのが毎日だった。


長く絡みのない金色の髪に指を通すと、絹のような肌触り。


長年外へ出ていない肌は病気のように白く、華奢だった。


(あたしをここへ連れてきたとき、魔女はあたしを魔法の実験台にするって言ってたわ)


ローズは思い出す。