でも今は、まるでローズを歓迎し、喜ばせるためだけに飛んでいるようだった。


そして、その後。


一匹の大きな鳥を捕まえて帰ってきたアリムに気づき、ホワイトはそっと着地した。


「ありがとう。とっても楽しかったわ」


そう言い、竜の背中から降りる。


「ホワイトが自分から背中に乗せるなんて、珍しいな」


「そうなの? とっても楽しかったわ!」


息を弾ませて言うと、アリムは軽く笑い返した。


「きっとホワイトに気に入られたんだな」


「そうだと嬉しいわ」


そう答えたとき、ローズの目にアリムが逆さにして足を掴んでいる鳥がしっかりと目に入った。


途端に息を飲み、口に手を当てるローズ。


「その、鳥……虹鳥じゃない?」


息絶えている鳥の羽は灰色だが、生きているうちは虹のように輝く羽をもっている。


その容姿から、虹鳥と呼ばれていた。


「あぁ、そうだ。焼いて食べるぞ」


「待って!」


「なんだよ」


火へ向かうアリムを、思わず呼び止めた。


(その鳥を、食べてしまうの?)