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家族の話し合いは夜中まで続いていた。


店のほうから時折聞こえる怒鳴り声や泣き声をきにしつつ、サリエは眠りについた。


アリムはさすがに眠れないらしく、月明かりを頼りに古い本を広げていた。


そして、店の中が静かになって数時間後、ようやくローズがドアを開いた。


「話は終わったか?」


サリエを起こさないよう、そっと話かける。


「えぇ、終わったわ」


随分泣いたのだろう、ローズは鼻声になっていて、月明かりで時々見える目は赤くなっていた。


「大丈夫か?」


「平気よ……」


呟くように返事をして、アリムの横に座る。


その表情は少し暗く、アリムはローズの肩を抱いた。


「どういうことになった?」


「あたし……。あたしと、家族みんなで、おばあ様の塔で暮らすことになった」