「俺はこれで帰るから」
大樹先生が立ち上がる。
俺もつられて席を立った。
「いいか、よく聞け」
真面目な顔をした大樹先生。
「お前の事だから、すべてをうちの親に告白して病院を辞める気だろう」
図星を指され返事ができない。
「残念だがそうはさせない。樹里亜も同棲のことはまだ話してないみたいだし、お前も黙っていろ。そして、樹里亜が自分で話すまで、知らん顔をしていろ。病院にも普通に勤務しろ」
「そんな・・・」
そんなことはできない。
樹里亜にだけ辛い思いをさせるなんて、
「お前みたいに真面目な奴には、その方が堪えるだろう?」
凄く意地悪な顔だ。
「少しでも責任を感じるなら、荷物をまとめここを出ろ。そして、黙って普通にしていろ」
そんなこと・・・
いいな分かったなと念を押し、大樹先生は帰っていた。
その夜、俺は一睡もできないまま朝を迎えた。
当然食事が喉を通るわけもなく、水だけを飲んで病院に向かった。
いつもよりかなり早く病院に着き、まずは樹里亜のカルテを確認しようと、
あれ?
開かない。
「開かないよ。大樹先生がロックをかけたから」
いきなり後ろから声をかけられて、俺は振り向いた。
「樹里先生がいなくなるなんて、先生も何も知らなかったの?」
救命部長の不思議そうな顔。
「何も聞いていません」
「そうか」
もしかして、部長は気付いているんだろうか?
「樹里先生はしばらく休むって、大樹先生から連絡があったから」
「そう、ですか・・・」
「人数が減った分忙しくなるけれど、頑張ってくださいね」
ポンッと肩を叩かれ、
「はい」
返事をすることしかできなかった。
大樹先生が立ち上がる。
俺もつられて席を立った。
「いいか、よく聞け」
真面目な顔をした大樹先生。
「お前の事だから、すべてをうちの親に告白して病院を辞める気だろう」
図星を指され返事ができない。
「残念だがそうはさせない。樹里亜も同棲のことはまだ話してないみたいだし、お前も黙っていろ。そして、樹里亜が自分で話すまで、知らん顔をしていろ。病院にも普通に勤務しろ」
「そんな・・・」
そんなことはできない。
樹里亜にだけ辛い思いをさせるなんて、
「お前みたいに真面目な奴には、その方が堪えるだろう?」
凄く意地悪な顔だ。
「少しでも責任を感じるなら、荷物をまとめここを出ろ。そして、黙って普通にしていろ」
そんなこと・・・
いいな分かったなと念を押し、大樹先生は帰っていた。
その夜、俺は一睡もできないまま朝を迎えた。
当然食事が喉を通るわけもなく、水だけを飲んで病院に向かった。
いつもよりかなり早く病院に着き、まずは樹里亜のカルテを確認しようと、
あれ?
開かない。
「開かないよ。大樹先生がロックをかけたから」
いきなり後ろから声をかけられて、俺は振り向いた。
「樹里先生がいなくなるなんて、先生も何も知らなかったの?」
救命部長の不思議そうな顔。
「何も聞いていません」
「そうか」
もしかして、部長は気付いているんだろうか?
「樹里先生はしばらく休むって、大樹先生から連絡があったから」
「そう、ですか・・・」
「人数が減った分忙しくなるけれど、頑張ってくださいね」
ポンッと肩を叩かれ、
「はい」
返事をすることしかできなかった。