午後5時30分。
いつもならまだ仕事をしている時間。
俺は走るように病院を後にした。
一刻も早く、家に帰りたい。
樹里亜に会って、今起きていることを確認したい。
はやる気持ちを抑えながら、俺はマンション駐車場からエントランスへ入った。
ん?
管理人室前に、言い争う男性が2人。
スーツの男性と、もう1人はマンションの管理人。
「だから、兄なんですよ」
「たとえお兄さんでも、勝手にはお通しできません」
管理人が必死に止めている。
しかし、スーツの男性は、
「具合が悪いんです。もし中で何かあったら、あなたが責任をとれるんですか?」
脅迫気味に管理人に詰め寄っている。
「しかし・・・」
「いいから、開けてください」
スーツの男性は強気だ。
これは管理人が負けるな。
男性の威圧感は半端ない。
「困ったなあ・・・」
と、管理人が呟いたその時。
俺と目が合った。
しまった。
こっちに振らないでくれよ。
そう思った瞬間、
「ああ、よかった。ご主人がお帰りじゃないですか」
と、言った。
ええええええ。
当然、スーツの男性が振り返る。
「あっ」
「ああっ」
2人の声が重なった。
いつもならまだ仕事をしている時間。
俺は走るように病院を後にした。
一刻も早く、家に帰りたい。
樹里亜に会って、今起きていることを確認したい。
はやる気持ちを抑えながら、俺はマンション駐車場からエントランスへ入った。
ん?
管理人室前に、言い争う男性が2人。
スーツの男性と、もう1人はマンションの管理人。
「だから、兄なんですよ」
「たとえお兄さんでも、勝手にはお通しできません」
管理人が必死に止めている。
しかし、スーツの男性は、
「具合が悪いんです。もし中で何かあったら、あなたが責任をとれるんですか?」
脅迫気味に管理人に詰め寄っている。
「しかし・・・」
「いいから、開けてください」
スーツの男性は強気だ。
これは管理人が負けるな。
男性の威圧感は半端ない。
「困ったなあ・・・」
と、管理人が呟いたその時。
俺と目が合った。
しまった。
こっちに振らないでくれよ。
そう思った瞬間、
「ああ、よかった。ご主人がお帰りじゃないですか」
と、言った。
ええええええ。
当然、スーツの男性が振り返る。
「あっ」
「ああっ」
2人の声が重なった。