翌朝。
「お陰で、久しぶりにゆっくり寝られました」
やけにかわいらしくお礼を言う。
「病院では秘密ですよ」
もし大樹に知れたら、間違いなく殺される。
「大丈夫です。話すような友人はいませんから」
はああ。
それは、お気の毒に。
「でも、そんなにお金ないんですか?」
「はぁ、それが・・・」
ポケットから出した財布を開いて見せた。
千円札が2枚。
「これだけ?」
コクンと頷く。
「これからどうするの?」
初めての給料日は5月の中旬。
それまでには1月以上ある。
「貯金は?」
「研修先が決まった瞬間に仕送りを止められてしまって、ここ半年の生活費に消えた」
うわー、かわいそう。
「まあ、どうしても困ったら医局で寝泊まりしてつなぐよ」
「お金、貸そうか?」
「バカ。いらない」
イヤー、いらなくはないでしょう。
「じゃあ、給料日までここにいれば?その代わり、研修で困ったときは助けて」
手を合わせて、お願いした。
ただせさえ院長の娘だって注目されているのに、私はそんなに器用ではない。三流大学を卒業し、なんとか医者になったって感じ。
渚が千葉大の医学部出身って事は、私よりかなり頭いい訳でぜひ味方に欲しい。
「いいのか?」
「うん。こう見えて、私の周りって敵が多いのよ。味方は1人でも欲しい」
なんだかとても不思議そうな顔をして、
「ありがとう」
渚は深々と頭を下げた。
この日から、私達の同棲生活が始まった。
「お陰で、久しぶりにゆっくり寝られました」
やけにかわいらしくお礼を言う。
「病院では秘密ですよ」
もし大樹に知れたら、間違いなく殺される。
「大丈夫です。話すような友人はいませんから」
はああ。
それは、お気の毒に。
「でも、そんなにお金ないんですか?」
「はぁ、それが・・・」
ポケットから出した財布を開いて見せた。
千円札が2枚。
「これだけ?」
コクンと頷く。
「これからどうするの?」
初めての給料日は5月の中旬。
それまでには1月以上ある。
「貯金は?」
「研修先が決まった瞬間に仕送りを止められてしまって、ここ半年の生活費に消えた」
うわー、かわいそう。
「まあ、どうしても困ったら医局で寝泊まりしてつなぐよ」
「お金、貸そうか?」
「バカ。いらない」
イヤー、いらなくはないでしょう。
「じゃあ、給料日までここにいれば?その代わり、研修で困ったときは助けて」
手を合わせて、お願いした。
ただせさえ院長の娘だって注目されているのに、私はそんなに器用ではない。三流大学を卒業し、なんとか医者になったって感じ。
渚が千葉大の医学部出身って事は、私よりかなり頭いい訳でぜひ味方に欲しい。
「いいのか?」
「うん。こう見えて、私の周りって敵が多いのよ。味方は1人でも欲しい」
なんだかとても不思議そうな顔をして、
「ありがとう」
渚は深々と頭を下げた。
この日から、私達の同棲生活が始まった。