その後、2人で近くの公園を散歩しながらいくつか約束をした。

もう、生徒じゃないんだから「先生」とは呼ばず、お互い名前で呼び合うこと。

遅くまで飲み歩かない。

父さんや母さんに反抗的な態度は取らない。

「時々樹里亜さんに連絡して、『梨華はいい子にしてますか』ってチェックするぞ」と脅された。

私からも、「あまり子供扱いはしないで」とお願いした。



5年もの時間をかけて、私たちは気持ちを確認した。


私にとって、山口先生は初恋の人。

誰にも言えない正直な気持ちを吐露できる存在。

本気で叱ってくれる数少ない人。

そして、

こんなにわがままな私をかわいいと言ってくれる人。


思われていることがうれしくて、私も彼を大切にしようと思える。

この先どんなことがあっても、この手を離さずにいこうと、私は決心した。