「嫁入り前の女の子が、朝帰りなんて良くないぞ」

「はあ」

「それに、もう子供じゃないんだから親に対しての反抗的な態度も改めなさい」

「はあぁ」

なぜだろう、すっかり高校時代に戻ってしまった山口先生がお説教を始めている。

気分悪い。


ちょうどその時、

「お待たせしました」

店員さんが注文した飲み物を運んできた。

先生はホットコーヒー、私はオレンジジュ・・・あれ？

運ばれてきたのはアイスコーヒー。


「あの、違います。私は頼んだのはオレンジジュースですけれど」

「え、でも、アイスコーヒーを」

店員が慌てている。


「申し訳ありません、すぐにお取り替えします」

店の奥から出てきた年配の店員がアイスコーヒーを下げようとしたけれど、

「もういいです、置いてください。もう欲しくありませんから」

不機嫌丸出しで言い放ってしまった。


「おい」

先生の溜息が聞こえた。