山口先生が帰り、部屋に戻った私は酷く落ち込んでしまった。

久しぶりに机に突っ伏して泣いた。

この気持ちは、怒られたからではない。

自分への悔しさと、お姉ちゃんへの嫉妬。


「何で、お姉ちゃん相手が先生なのよ」

無意識に口を出ていた。


私の思い出の中にお姉ちゃんが入って来たようで嫌な気分。

でも、何も知らなかったお姉ちゃんよりも、山口先生に腹が立つ。


その時、

ピコン。

メッセージ。


怪しみながら開くと、

『随分前に聞いた番号に、届くか分からないメッセージを送ります。
今日は久しぶりに会えて懐かしかったよ。
それに、綺麗になっていてビックリした。
怒ったりして悪かったな。大人げないと、反省しています。
出来ればお姉さんとのことを、お前には直接話したい。
今更と思うなら、無視してくれ。
直接会って言い訳を聞いてやろうじゃないかと思うなら、連絡をください。
                   山口海人』

私は何度もメッセージを読み返して、

『言い訳を聞かせてもらいます』

と返事をした。