過ぎ去っていくおばさんの一団。

「どこの子?」

「竹浦さんとこの下の娘さん」



チラチラと振り返るおばさん達。


「あの金髪」

「昔から素行に問題があるって評判だったわね」

「そう言えば、上のお嬢さんは隣街のマンションを買ったらしいわよ」

「へー」

「やっぱり肩身が狭くて帰れないのね」

「かわいそうに」


きっと、聞こえているのが分かって言っている。

嫌な人達。

お姉ちゃんはマンションなんて買ってない。

お姉ちゃんは肩身が狭くなんてない。

かわいそうなんかじゃない。

走って行って叫びたいのをグッとこらえた。