「あらー、梨華ちゃん」

声を掛けたのは同級生のお母さん。

一緒にいるおばさん達は不思議そうに見ている。


「大きくなったわね」

「はぁ」

つい声が小さくなってしまう。


「大学生?」

「はい」

「うちは今年短大を出て就職したのよ」

へえ。

小さい頃はよく遊んだけれど、今は顔も思い出せない。


「また遊びにいらっしゃい」

「はい」