「ねえ彼女。1人?一緒に飲もうよ」

駅前の飲み屋街に近づくと、声をかけられた。

かなりお酒の入った大学生って感じ。


私は無視して前に進む。


「ねえ、彼女」

肩に手をかけてきた。


「ちょっと、離してよ」

手を振りほどき、睨み付ける。


「何だよっ」

今度は腕を掴まれた。


「痛いー」

ちょっと大げさに声を上げる。


周囲の人も私を見る。


これで、相手の男の子達がひるめば逃げられる。

いつものパターン。


しかし、


「何やってるんだっ」

厳しい声が聞こえ、

グイッと、腕をひかれた。


「ええ、ちょっと」


唖然とする男の子達には目もくれず、


「いいから来いっ」


強い力で引っ張られ、私は連れ去られてしまった。