1日を学校で過ごした私は、愛さんの店に向かった。

学年主任の嫌みが頭を離れなくて、早退してしまうことも悔しかったし、かといって真っ直ぐ家に帰る気にもなれない。


「何で大人は外見でしか人を見ないんだろう」

カウンターに座ってぼやきが出る。


私だって、自分の行動が褒められたモノじゃないのは分かっている。

でも、私にだって言い分はある。

大人は誰も聞いてくれないけれど。


「機嫌が悪いわね」

1人ブツブツと言い続ける私に愛さんが飲みのもを差し出す。


「ありがとう。嫌な大人が多すぎるのよ」


学校の教師ときたら、みんな嫌みたらしくてすぐに家族の話をする。

確かに、お兄ちゃんもお姉ちゃんもちゃんと医学部に通っている医学生。

お兄ちゃんは将来うちの病院を継ぐのだろうし、お姉ちゃんだって医者として苦労なく暮らすんだろう。

2人とも私とは違う。

どんなにがんばったて、私は医者にはなれない。

と言うか、なりたくない。


お姉ちゃんと同じ道は歩きたくない。


だって、私はお姉ちゃんが大嫌い。