それにしても、


「あの時、山口先生かっこよかったよね」

私が言うより先に美穂が口にした。


「そうだね」

確かに、素敵だった。


何よりも、信吾を守ってくれたことに感動した。



「で、この後どうする」

金曜の夜から一緒に過ごした土曜の朝。

美穂に予定を聞かれた。


この後ねえ、


今の時刻は、6時。


「ねえ、山口先生って隣町に住んでるのよね?」

「確かそう言ってた」

美穂のお父さんは大きな不動産屋を経営している実業家で、うちの学校の保護者会長。

だからかな、前に山口先生の家の話をしていたはず。


「美穂、住所分かるの?」

「うん。住所入っているから、行けると思う」

「行ってみようよ」


美穂も同意して、私達は山口先生の家を探しにに行くことにした。