体育館の近くまで行くと、すでに人集りができていた。

マズイなあ。


「だから、俺は関係ないですって」

信吾の声。


「誰もお前がやったとは言ってないだろう。ただ事情を聞いているだけだ」

「普段からの行いが悪いから、疑われるんだ」

学年主任と教頭で、信吾を責めている。


「何だよッ。俺は知らないって言ってるだろう」

「その態度が問題なんだ」


信吾も先生達も一触即発。


すでに信吾は手が出かけている。


このままでは、喧嘩になる。

何とかしなくては・・・


私は我慢できずに、一歩を踏みだしそうとした。


その時、


肩に手を置かれ、
私の足が止った。


誰?って振り向こうとすると、

私の横を通り過ぎる人影。


山口先生。


私を止めて、真っ直ぐ信吾の方見歩み寄る。