「どういうことなんだ。無断外泊して親に心配かけて、謝りもせずに、羽を伸ばして何が悪いかだと?ふざけるなっ」
うわー、怖い。
大樹や父さんのように一方的に怒鳴るんじゃなくて、強弱をつけて理詰めで来られるから余計に怖い。
見ると、梨華が泣きそうになっている。
「あの山口さん」
さすがに母さんが口を挟んだ。
「ああ、お母さん。突然怒ってすみません。でも、梨華さんとの約束なんです」
「約束?」
「ええ。あの当時梨華さんと数人の仲間は出席日数もギリギリで、素行にもかなり問題があったので、普通だったら卒業は難しかったんです。でも、何度も何度も面談する中で、ご家庭の事情も聞き、彼女の気持ちも聞きながら、『大学に行ったらちゃんと真面目になって、親にも心配をかけない』と約束して卒業させたんです」
へー、そんなことがあったんだ。
「確かに、生徒指導の先生に大変お世話になったと聞きましたが、あなたが・・・」
母さんも懐かしそうに当時を振り返る。
「はい。僕も教師1年目で燃えていましたし。で、竹浦何か言うことは?」
梨華に向けては再び厳しい顔になる山口さん。
「・・・」
だからって、素直になれる梨華でもない。
「いい加減にしろよ。本気で怒らせたいのか?」
ジッと睨む山口さん。
梨華はうつむき、小さな小さな声で、
「黙って外泊してごめんなさい」
珍しく謝った。
どうやら、山口さんは梨華の弱点見たいね。
その後も終始借りてきた猫のようで、
かわいいなあと思いながら、私は梨華を見ていた。
うわー、怖い。
大樹や父さんのように一方的に怒鳴るんじゃなくて、強弱をつけて理詰めで来られるから余計に怖い。
見ると、梨華が泣きそうになっている。
「あの山口さん」
さすがに母さんが口を挟んだ。
「ああ、お母さん。突然怒ってすみません。でも、梨華さんとの約束なんです」
「約束?」
「ええ。あの当時梨華さんと数人の仲間は出席日数もギリギリで、素行にもかなり問題があったので、普通だったら卒業は難しかったんです。でも、何度も何度も面談する中で、ご家庭の事情も聞き、彼女の気持ちも聞きながら、『大学に行ったらちゃんと真面目になって、親にも心配をかけない』と約束して卒業させたんです」
へー、そんなことがあったんだ。
「確かに、生徒指導の先生に大変お世話になったと聞きましたが、あなたが・・・」
母さんも懐かしそうに当時を振り返る。
「はい。僕も教師1年目で燃えていましたし。で、竹浦何か言うことは?」
梨華に向けては再び厳しい顔になる山口さん。
「・・・」
だからって、素直になれる梨華でもない。
「いい加減にしろよ。本気で怒らせたいのか?」
ジッと睨む山口さん。
梨華はうつむき、小さな小さな声で、
「黙って外泊してごめんなさい」
珍しく謝った。
どうやら、山口さんは梨華の弱点見たいね。
その後も終始借りてきた猫のようで、
かわいいなあと思いながら、私は梨華を見ていた。