考え、探し始めて二日。
どうにもこうにも、パッとしないのはそれがリアルで感じられないからなのだろうか。
そんなふうに感じて、私は借りた本を返しに行くべく再び暑い中を図書館に向かった。

こんな暑い日でも、保育園の前を通れば元気な子ども達の声がする。
私も、昔はあんなふうに元気だったんだろうか?
疲れも、暑さも気にせず無邪気に遊ぶ子ども達は何だか、とっても楽しそうでキラキラしていた。

「とってもやりがいはあるのだろうけれど、保育士さんは大変そうだわ……」

ポツリと零しつつ、私は図書館を目指す。
この辺りでは、比較的開けている場所にある図書館までは自転車で十五分くらい。
真夏じゃなければいい運動だが、この猛暑の時には汗だくになる。
着いた先で、自販機でジュースを買ってまずは水分補給をして館内で汗が少し引いた頃に書架のコーナーに向かった。

借りた本を返して、私は広い書架コーナーを歩いていると、フッと目に付いたのは星空の写真の本。
見てみると、それは写真集で星空を中心に自然の中や鳥、動物、花などが撮られていた。
その写真を眺めていると、とても懐かしい気がした。
私は、これに似た物を見たことがある。
それは、今はあまり家族も触れない家の本棚の端にひっそりとしまわれている。
数冊のアルバムの中にあった写真たちだ。

「お祖父ちゃんの写真みたい……」

そう、家にあるアルバムは地元で小さな写真館を営んでいたお祖父ちゃんの撮った写真たち。
その中の数枚は私を一緒に連れて行き撮ったものもある。

写真を見て、お祖父ちゃんの言葉を思い出す。