「条件がある……」
苦り切ったお父さんが言ったのは、私たちには想定外だった。

「同棲するってうなら、もう龍星くんの年齢から考えて微妙だろう。籍を入れて夫婦になるなら送り出そう。その代わり、大学卒業までは孫は要らんからな!」

まさか、ここで結婚の許可が降りるとは信楽さんも思ってなかったらしくびっくりしている。

「なんだ、まさか遥香は遊びなのか? なら、お付き合いも許さんぞ!」
そんなお父さんの言葉に、信楽さんはすぐさま反論した。

「そんな訳ありません。俺は遥香しか結婚は考えられない。そちらがいいのであれば、籍を入れさせてください」
そう言って、信楽さんはうちの親に頭を下げてくれて私達は、結婚して一緒に住むことになった。
大学などの手続きがちょっと面倒だなと思っていたら、信楽さんが言う。
「もし、大学等の手続きが面倒なら、俺が津田性になってもいいんで」

その言葉に驚くと、聞けば信楽さん三人兄弟の末っ子で上二人とは歳が離れており、既に家庭を持てって子どももいるんだとか。

そんなわけで、長野の信楽さんの実家には一応電話で報告とご挨拶をして反対もなく、この日に私と信楽さんは入籍して、私は信楽遥香になったのだった。
そうして、あれよという間に私は囲われてしまっていた。
逃げ出せない、優しい龍星さんとの生活はこうして予想外に進んでスタートを切ったのだった。