すると、当たりはオレンジの光に包まれており閉館時刻のアナウンスが流れている。

「あっという間に閉館か……」

私の呟きに、いつも会う司書のお姉さんが声をかけてきた。

「遥香ちゃん、結構長いこと色々見ていたわね?探し物は見つかったかしら?」

その声に、顔を上げて私は答える。

「探し物は見つからず、しかも混線模様になりました……」

すっかり肩を落としてボヤく私に、司書さんは言った。

「まぁ、遥香ちゃんは一体なにを探しに来たの?」

私はその問いに、答えた。やや疑問形で。

「やりたいこと?将来の夢?仕事?みたいな感じ?」

そんな私の言葉に、司書さんはニコッと微笑むと言った。

「そう、それなら図書館はピッタリだったわね。まだ決まらないのなら、ここに来てじっくり考えてもいいと思うわ」

その後、さらに司書さんの言葉は続いた。

「でも、なかなか答えが見つからない時はちょっと図書館とも別の場所に行くことをオススメするわ。いろんなものを見るといいと思うわ」

そんな司書さんの言葉に、ちょっとだけ元気をもらい、私は気になるものを数冊借りて帰るのだった。

とりあえず、私のやりたいこと探しはこうしてスタートを切った。

いつになくやる気に充ちていたと思う。
帰宅してからも借りてきた本や、ネットであれこれと見てみるもののあまりピンとくるものは無い。

やりたいこと探し、結構難しいことに気づきつつも、動き出したことを辞めるのが実は嫌いだった事にここではたと気づいて、私は黙々と様々なことに目を通して行った。