そうして、二時間後狙いの写真が撮れた頃奏美が声をかけにきた。
「遥香、そろそろお風呂入っちゃえって!」
「はーい!ありがとう」
こうして、普段は入らないという奏美と一緒に私達はお風呂に入り、今回は特別だとのお許しを得て、私の泊まる部屋で奏美と二人沢山話しをした。
「奏美は、将来何になるの?」
私の聞いたことに奏美は答えた。
「私はね、看護師。お母さんと同じ道だね。大変だろうけど、昔お世話になった看護師さん達のことが忘れられないから」
そう話す奏美は今でこそ丈夫になったが、昔は喘息で発作を起こしたりして大変だった。
うちに遊びに来ててなった時には、美佐子おばさんの勤める病院へ担いで行ったこともある。
私は健康優良児ってくらい病気知らずなので、奏美の発作を見るのは苦しそうでなにも出来なくって、悔しかった記憶がある。
「そっか、奏美は看護師を目指すんだね」
「遥香はどうするの?」
「食べていくのは大変かもしれないけど、私はこの旅でカメラを使って写真を撮ってきて、写真を撮ることを仕事に出来たらと思ったよ」
そう、やりたいことを見つけた。
私はお祖父ちゃんみたいな写真を仕事にしつつ、趣味でも様々な写真を撮り続ける、そんな生き方がしたいと思うようになった。
「そっか、遥香は写真家目指すのね」
「写真家って程ではないだろうけど、お祖父ちゃんの写真館を再開出来たら良いなって思ってる」
お互いに話して、それぞれのこれからや今のことを語り明かして、いつの間にか眠っていた。
私達は、これから互いに歩んでそれでも話したり愚痴ったり、相談したりできる。
そんな幼なじみが互いであることに、温かくなった。