そんな和やかな会話に元気な声が聞こえてきた。
「遥香!ひっさしぶり!」

そう言って抱きついてきたのは、私と同い年の奏美。
昔は近いところに住んでいたのだが、ペンションを始める時に引っ越してしまい、そこからは年に数回会うだけだった。

「奏美、久しぶり!元気そうだね」
「今日はさ、遥香の用事が済んだら女子トークね!はい、部屋はこっち!」

そんな私たちの様子におじさんとおばさんは笑って見送ってくれた。

「この部屋、やっぱり素敵だね」
案内されたのは、綺麗なキルトでカバーされたベッドと木の温もり溢れる空間だ。

「そこはうちの親達こだわってたからねぇ」
奏美も随分こっちに慣れたみたいだ。
「奏美、こっちに随分慣れたね?」
「まぁ、もうこっち来て六年だもんね。でも大学はそっちで行くつもりだから、もう少ししたらまた前みたいに遥香にも会えるよ」

その言葉に、嬉しくなって私は奏美にぎゅっとくっついた。
「そっか、嬉しいよ!」
そんな話の後で、降りて食堂で夕飯をいただく。
浩二おじさんの創作フレンチはとっても美味しくって、ここでも私はまた綺麗に完食してしまうのだった。

「遥香の食べっぷりは健在だね!」
なんて冷やかされたものの、その後はすっかり夜になったので、ペンションの庭に三脚を立ててカメラを取りつけて星空を撮影し始めた。
私が今回撮りたいのは、変わった撮り方で撮るもので、二時間ほど待機しなくてはならない。
設定も細かくって、大変だがわたしはこうして撮られた星空の写真が好きなので自分でも撮ってみたくなって、今回ここにきた。

ここは夏でも天気にさえ恵まれれば、綺麗な星空が撮れることで有名だから。