ホテルに戻ってからは、海が見える露天風呂でまったりとつい長湯をしてしまい、夕飯の時間を思い出して、急いで部屋に戻った。
ホテルの食事は海鮮が中心だが、近隣の地名が付いたブランド牛のステーキなんかもあって、思いっきり食事も満喫した。
ここを予約してくれたのはお父さんだった。
「お父さん、ちょっと奮発してくれて気がする……」
私は、帰ったらありがとうと言おうと思いつつ、明日も長距離移動なので、窓から見える星空を一枚撮ったあと、スマホとカメラの電池の充電をして布団に潜ったら、一気に眠ってしまったのだった。
こんなにスっと寝入ったのは久しぶりだった。
朝起きたら、親から来ていたメールに慌てて返信して朝食を食べたあと、チェックアウトをして今日は今日きた県のまた隣の県をの高原を目指して、バイクに乗って移動を開始した。
今日も、いい天気で暑くなりそうなので所々で休憩を挟みつつの移動になった。
次の目的地は高原での星空の撮影なので、移動には時間をかけても大丈夫なので、のんびり移動した。
途中で、有名なアーティストの出身地の海岸を通ったり、曲に出てくる景色もちゃっかり写真に収めたし、スマホでも撮って親に送った。
なにせ、父はそのアーティストのファンなのだ。
画像を送れば、直ぐに返信がきた。
「おぉ、あの有名な!!」
「いいなぁ、父さんも行きたかった」
しょんぼりとしたくまさんのスタンプが送られてきて、思わず笑ってしまっていると、不意に声をかけられた。
「お嬢さんは、〇〇のファン?」
振り返った先には、サーフボードを持ったお兄さんがいた。