もう一つの灯台は、専用の橋を渡った先にある島にある灯台で、その灯台の近くにあるホテルに今日は泊まる予定だ。
ここも、昔お祖父ちゃんと二人で来たところで今回の旅行の目的地をあげた時に、父が予約してくれた。
島に着いた頃には少し日が傾き始めていた。
先にホテルにバイクを停めてチェックインした後で、灯台を目指した。
途中の道で猫に出会ったり、橋からの景観が良くてちょこちょこと止まっては写真を撮った。
夏休みシーズンだからか、人はきっと普段よりも多いだろうが、私みたいな一人旅系はあまりいなさそうだ。
家族連れが多く、小さな子と親の連れ歩く様子を不意に眺めてしまった。
私も、親と出かけたことはある。
ただ、どちらも忙しい職業だったために数回という記憶。
海や、山。マリンスポーツにウィンタースポーツもしたと思うが、それよりも、私が思い出したのはお祖父ちゃんとの旅行や過ごした日々だったのだ。
「お祖父ちゃんこだったってことだよね」
そんなことを呟きつつ、灯台にたどり着いた頃には夕日に変わっていてそこで沈むまで眺めた。
ここに来て、また思い出すのはお祖父ちゃんの言葉。
「遥香、こうやって眺めてると、結構なんでもよくなってくるだろう?疲れたり、立ち止まったりすることもある。どこかで息をついて、上手くやるんだよ」
小学校高学年の子に言うには、ちょっと大人すぎでしょう?と今は思うけれど。
お祖父ちゃんは結構色々教えてくれてたんだなと思う。
灯台からの夕日もしっかり写真に収めて、私はホテルへと戻ったのだった。