「ありがとうございます。いただきます」

目の前に出されたのは、ボリュームたっぷりの海鮮丼にアオサの味噌汁、お漬物だった。
これ、食欲旺盛な男子の食べ物じゃないの?って量だ。
しかし、花の女子高生も侮るなかれ。
私、花より団子な食欲旺盛女子なのでこの量にむしろヨダレを垂らして、挑んだのだった。

結果は、二十分で出た。
「ご馳走様でした!」
私の声に、カウンターに居たお兄さんがヒョイッと顔を見せると綺麗になったお皿にニコッと笑って言った。

「お!お嬢ちゃんにはちょっと多いかと思ったが、いい食べっぷりだな」
「出されたものは、残すべからずって教えられたから」
私が笑って答えると、お兄さんはニカッと笑って言う。
「そりゃ、いい教えだな。親御さん?」
「親もだけど、お祖母ちゃんかな」
「そうか。いいお祖母ちゃんと親だな。作り手は残さず食べてもらうと、気持ちがいいってもんよ」
「本当に美味しかったです。ご馳走様でした!あ、あの。ここの写真、撮らせてもらっていいですか?」

私の問いに、お兄さんはいい笑顔で了承してくれたのでスマホとカメラとで写真を撮った。
スマホの分はここでご飯を食べましたと、お店とご飯の写真をつけて両親にメールした。

お店から出ると、公園に向かいバイクを停めると公園内を歩いて高台の灯台を目指した。

そこはお祖父ちゃんと来た時と変わりなく、白い灯台があって、その先には海が広がっている。
私はそこでも、思い出を辿るようにカメラで写真を撮った。
公園内には草花もあれば磯場もあり、そこには海の生き物もいて、写真に収めた。
二時間近く楽しんだ後、私はもう一つの灯台を目指して移動した。