『あらすじ』

パレルは天使になりたかったが、天使試験に落ちてしまった。
だから仕方なく死神になった。
パレルは死神の見習いとして、指導係のジャンクに付きながら死神の研修を受ける。
死神の仕事は、亡くなる人の所へ行き、その人に走馬灯のように人生の思い出を見せて天国へ送り出すことだった。
パレルはジャンクと共にいろいろな人の死に立ち会い、思い出を見せる仕事をしていくうちに、死神の仕事も悪くないと思うようになる。
ある日、パレルは病院で生まれたばかりの赤ちゃんの死に立ち会う。
パレルはその赤ちゃんの悲痛の運命に悲しみに暮れるが、赤ちゃんに少しでもいい想い出を見せるために赤ちゃんの記憶に潜り込む。
しかし、記憶を遡るうちにその赤ちゃんの前世の記憶へと入り込んでしまった。そして、その前世は自分のものだということに気付く。
パレルはその記憶の中で大好きだった両親に再会することができてとても喜んだ。しかしその記憶の中で驚愕の事実を知る。
自分が死んだ理由だ。
自分は両親の目の前で車に轢かれて死んだのだった。それを知ったパレルは悲しみと共に途方に暮れる。
しかし再び目が覚めた時、自分の魂が赤ちゃんに入っていることに気付く。
記憶でも夢でもない。目の前に大好きだったパパとママがいた。
パレルはまた前の両親の子供として生まれ変わることができたのだ。
通常、死んだ人間は天界で天使や死神になり、数百年の務めを終えたあと、その成績により現世に人間として再び生まれ変わることができる。
だが、パレルは研修生の中で成績がトップだったため特待生となり、天使を飛び越え、特別に現世への生まれ変わりが許されたのだった。
パレルは両親に抱かれながら『今度こそ親孝行するからね』と誓った。